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□ 子なきじじいの資料・タキタ (4/1 00:45) #126
 ├ Re:子なきじじいの資料・兆 (4/1 00:47) #127
 ├ Re:子なきじじいの資料・佐々木卓 (4/2 10:41) #128
 │├ Re:子なきじじいの資料・ほし (4/2 23:42) #130
 │├ Re:子なきじじいの資料・佐々木卓 (4/5 10:11) #131
 │└ Re:子なきじじいの資料・タキタ (4/9 00:07) #137
 │ └ Re:子なきじじいの資料・佐々木卓 (4/9 11:32) #138
 │  └ Re:子なきじじいの資料・タキタ (5/11 03:08) #183
 │   └ Re:子なきじじいの資料・佐々木卓 (5/17 19:00) #198
 │    └ Re:子なきじじいの資料・タキタ (5/17 21:09) #199
 │     └ Re:子なきじじいの資料・佐々木卓 (5/18 13:10) #200
 │      └ Re:ウバリオン・バロウ・タキタ (5/20 20:38) #201
 │       ├ Re:ウバリオン・バロウ・佐々木卓 (5/21 11:44) #205
 │       │├ 取っ付こうか 引っ付こうか・佐々木卓 (5/21 14:06) #206
 │       ││├ 求む「砂かけ婆・ぬりかべ」資料・タキタ (5/21 22:06) #208
 │       │││├ 昔話事典も孫引き・佐々木卓 (5/24 09:50) #211
 │       ││││└ あるのですか!・タキタ (5/24 23:10) #214
 │       │││├ スナカケババもありました・りん (5/28 00:28) #230
 │       ││││├ 砂かけ婆の「大和昔譚」あります!・タキタ (5/30 02:40) #240
 │       ││││└ (質問)兵庫県の「スナカケババ」は何故消えたのか?・タキタ (5/31 03:07) #241
 │       ││││ ├ Re:(質問)兵庫県の「スナカケババ」は何故消えたのか?・佐々木卓 (5/31 09:42) #243
 │       ││││ └ Re:(質問)兵庫県の「スナカケババ」は何故消えたのか?・りん (5/31 20:12) #245
 │       │││├ (報告)「一反もめん」は健在なり!・タキタ (5/31 03:50) #242
 │       ││││└ 「一反もめん」は、別項目(他ツリー)に引っ越しました。・タキタ (6/12 16:05) #280
 │       │││└ (お知らせ) 「ぬりかべ」は、別項目(他ツリー)に引っ越しました。・タキタ (6/11 23:50) #276
 │       ││├ Re:取っ付こうか 引っ付こうか・タキタ (5/22 19:39) #210
 │       ││└ (質問)「ヤロカ水」と「こなきじじい」・タキタ (6/11 12:51) #270
 │       ││ └ Re:(質問)「ヤロカ水」と「こなきじじい」・佐々木卓 (6/11 19:55) #274
 │       │└ Re:おんぶ狸「赤でんちゅう」報告・匿名 (5/21 23:01) #209
 │       └ ばりよん・りん (5/26 21:36) #222
 │        └ Re:ばりよん・タキタ (5/27 21:37) #226
 │         └ 気が利かなくってごめんなさい・りん (5/27 23:37) #228
 │          └ ああ、誤字・誤情報・りん (6/16 20:37) #315
 └ Re:子なきじじいの資料・ありました・りん (5/28 00:02) #229
  ├ Re:子なきじじいの資料・ありました・佐々木卓 (5/28 09:26) #231
  │└ ウブメがあやしい・りん (5/29 02:37) #236
  │ ├ Re:ウブメがあやしい・タキタ (5/29 03:10) #237
  │ │├ なぜ重くなるか(?)・タキタ (5/29 03:23) #238
  │ │└ 重くなるのもありますか・りん (5/29 18:54) #239
  │ └ (質問)妖怪「オボ」って何でしょうか? ・タキタ (6/18 00:21) #323
  │  └ 何なのでしょうねぇ? ・りん (6/18 21:42) #324
  └ Re:子なきじじいの資料・ありました・タキタ (5/29 02:07) #235
   └ 「コナキジジ」伝承地・徳島県山城町上名平を訪問(未成果中)・タキタ (6/1 08:01) #246
    └ 「コナキジジ」伝承地発見報、マスコミ黙殺?・タキタ (6/2 02:11) #250
     ├ Re:「コナキジジ」伝承地発見報、マスコミ黙殺?・佐々木卓 (6/3 13:06) #251
     │└ 妖怪名彙の「コナキヂヂ」伝承取材者=武田明氏説も浮上中・タキタ (6/6 03:21) #254
     └ ホントにすごい調査なのにねぇ・りん (6/8 21:45) #261
      └ 「コナキジジ」続報(未成果中)・タキタ (6/9 02:15) #262
       ├ Re:「コナキジジ」続報(未成果中)・佐々木卓 (6/9 11:53) #264
       └ Re:「コナキジジ」続報(未成果中)・りん (6/9 19:18) #266
        └ 小暮正夫氏の「飴屋とこなきじじい」報告・他・タキタ (6/11 01:37) #268
         ├ (『妖怪探求』内の参考記載の紹介)祖谷山の「オギャナキ」≒「こなきじじい」・タキタ (6/11 23:34) #275
         └ 全国の「こなきじじい」伝承求む!・タキタ (6/17 01:14) #316
          └ 民俗学研究所「柳田カード」(妖怪部門)所蔵せず!・タキタ (6/20 02:21) #329
           └ 慶応義塾大学で「こなきじじい」調査できる人いませんか?・タキタ (6/21 16:28) #331
            └ 「徳島ラーメン」決定報で「こなきじじい」割愛?・タキタ (6/26 22:36) #360


∧

#126子なきじじいの資料タキタ mail home4/1 00:45

現在「子なきじじい」の調査を行っています。柳田国男の「妖怪名彙」以外に資料が無く。柳田の取材元や他の出典が不明で困っています。誰か「コナキヂヂ」の記載された史料や報告をご存知ではないでしょうか?

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#127Re:子なきじじいの資料mail 4/1 00:47
#126
『全国妖怪事典』(小学館)の四国・徳島の項に「コナキジジ」として掲載されていますが、一般的に知られている特徴の他、特に変わった記述は見られません。

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#128Re:子なきじじいの資料佐々木卓 4/2 10:41
#126
 確か当時、柳田国男は民間伝承とかいう月刊誌の編集だか監修だかやっていて、その中に妖怪名彙とかいう、読者から寄せられた妖怪の情報を載せるコーナーがあって、妖怪談義とかはその情報が元のはず。なので、柳田の情報以前の文献にはコナキジジの話は無い…と思う。あるとすれば、四国や九州の郷土誌かなぁ…。
 あと、全国妖怪事典にあるゴギャナキの情報源である土佐近世妖怪資料は谷川健一編集の日本民俗文化資料集成 妖怪にあったと思う(不確定な情報ばかりですまぬ)。
 ちなみにカボチャになったとか言うコナキババは東北怪談の旅にある山田野理夫の創作です。
 あ、そういや新・超怖い話とかいう文庫にもコナキジジを見た、って話があった(笑)。
 あとねぇ…幽かな記憶しかないんだけど…何かの本にコナヒキジジ、ってのがあったような…(て言うか、なんでコナキジジの事調べてるの?)

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#130Re:子なきじじいの資料ほし mail 4/2 23:42
#128
近世土佐妖怪資料が日本民俗文化資料集成 妖怪にあるっていうのは確定、です。その近世土佐妖怪資料はゴギャナキを「三安漫筆」『皆山集』から引っ張ってるらしいのですが・・・

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#131Re:子なきじじいの資料佐々木卓 4/5 10:11
#128
コナヒキジジ…って言うか、粉挽き爺々(コヒキジジ)は暮らしの中の妖怪たちにあったよ〜ん。でもその出典元はわかんないよ〜ん。

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#137Re:子なきじじいの資料タキタ 4/9 00:07
#128
なぜ調査しているかというと、徳島県の100人に聞いても99.9人は、「こなきじじい」を徳島の妖怪と柳田氏や水木氏や他の妖怪辞典の類が紹介していることを知らないからです。知ってる人も水木氏や妖怪辞典の類で読んだだけで、現地での伝承に関してはだれも書き残していないようなのです。柳田氏の「妖怪名彙」以外に「コナキヂヂ」という固有名詞の伝承が私には末発見なのです。
ゆえに調査中です。ありがとうございます。

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#138Re:子なきじじいの資料佐々木卓 4/9 11:32
#137
 それって、すごく重大な問題だと思う。確か柳田国男は投稿された情報を参照にしただけで、現地の調査をした訳ではない…はず。
 と、言う事は、提供した人がたまたま徳島の人で、ゴギャナキもしくは人づてに聞いた怪異の情報を提供しただけだった…と言う可能性も…。
 実は70年代の少年マガジン絡みで似たような事件がありまして、読者から妖怪の情報を寄せてもらう企画があったのですが、奈良県の読者が竹鬼という妖怪の情報を投稿してきまして、で、その情報以前の文献等では竹鬼に関する記述は無かった(発見できなかった)のですが、だからと言ってその少年が創作したモノだとは断定もできず、どうしませう…、と言う事件(って程でもないけど)があったんですよ。ま、その件は情報元が少年雑誌という事で「奈良県の少年の創作」とされてしまった訳ですが…。
 しかし、そうすると暮らしの中の妖怪たちにあった粉挽爺って一体…。

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#183Re:子なきじじいの資料タキタ 5/11 03:08
#138
おひさしぶりです。
その後も、コナキヂヂ」を探していました。ところで、なぜ、ゴギャナキをコナキヂヂとみなさんが判断するのかが疑問です。「皆山集」のゴギャナキの記載は柳田国男の記載とはズレているのですが。
いずれにせよ、水木しげる氏には中間報告済みなのですが、徳島県内の「コナキヂヂ」調査をほぼ終えました。中間報告としては、幻とまでは言えませんが蜃気楼のような存在でした。戦災や、古文書の散在で「コナキヂヂ」という固有名詞の伝承は見つかってはいません。いま、そのあたりの調査報告書をまとめています。何年かしたら、また、調査を再開します。ほんとうにどこで、柳田氏は取材したのだろうか?
古文書ではない柳田文章の記載だから、出典元探しにやっきになるのだが、これが何百年も前の文献の記載だったら、このように探し回る気も起らなかっただろうと思います。
いずれにしても、コナキヂヂを徳島に残してくれた柳田・水木両氏見には感謝しています。
まるで、かつての「ヤマタイ国探し」のような作業でした。「まぼろしのヤマタイ国」とか「ヤマタイ国はなかった」式のタイトルのように、「居ないとは断言できないコナキヂヂ」というタイトルも一案です。

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#198Re:子なきじじいの資料佐々木卓 5/17 19:00
#183
 純粋にコナキジジっていう語彙が記されてる文献を探されてた訳ですか。
 ゴギャナキだったら、四国の郷土資料館なり図書館なりで「○○村の民俗」とか「○○市史」とかを見ていけば、ちょくちょく出てくるらしいですけどね。
 私は四国に行った事ないので知りませぬが。
 オバリヨンとかヤマジジといった似たような性質の妖怪もやはり四国の伝承ですので、その辺からも調査してみてはいかがでしょうか。
 でもって「暮らしの中の妖怪たち」にある「粉挽爺」は何が出典なんだろう…。

∧

#199Re:子なきじじいの資料タキタ mail home5/17 21:09
#198
まったく、そのとおりで「コナキヂヂ」という固有名詞の伝承をさがしていたのです。しかし、みつかったのは、ゴギャナキ系の妖会伝承ばかりでした。徳島県では、このゴギャナキが「子なきじじい」のモデルであろうと直感していた人も2名いました。「コナキヂヂ」の名は忘却のかなたのようです。
なお、オバリオンって、どこの妖怪なのでしょうか? ご教示ください。

∧

#200Re:子なきじじいの資料佐々木卓 5/18 13:10
#199
 にょ?徳島じゃなかったでしたっけ?ウバリオンとかオッパショ石とかバリヨンとかウバロウとかって(違ったっけ?)。水木センセの本とか千葉センセの本には載ってなかったですか?(なんか自信無くなってきた…。でも四国のどっかだったはず)。

 ところで、結局コナキヂヂって固有名詞みっかんなかったんでしょ?やっぱ柳田国男に報告した人がゴギャナキ(オギャナキ)って名称ド忘れして、「そういや四国にこんな話あったなぁ〜」って報告する際に適当に名前言っちゃったんじゃないかしら?
 って言うか、柳田国男自身がコナキヂヂとゴギャナキは同じ、って言ってるし(抱き上げたら重くなる、ってのと向こうから抱きついて来る、っていう相違はあるけど、伝承って伝言ゲームみたいなモンで、そっくりそのまま伝わる訳じゃないですしね)。

 いずれにしろ、推測の域は出ませんけどネ。

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#201Re:ウバリオン・バロウタキタ 5/20 20:38
#200
柳田国男氏は『妖怪名彙』の記載では、徳島県の「オッパショ石」の解説に、「ウバリオン」や「バロウ石」を例えに出していますが、徳島では「オッパショ石」以外は聞いたことがない言葉です。それで、よくよく読むと『妖怪談義』の記載では、バロウは新潟県の方言で「負われよう」の意味と記載されていました。越後ではバリオン、バロウ狐がいるとも記載されています。これは、当時の『妖怪名彙』の読者層には無名であったのだろう徳島の「オッパショ石」の解説に、すでに読者に知られていたらしい他県の妖怪名を、(全国の読者の理解を助けるために)引用したようです。ところで、どうも、ウバリオンという綴りの妖怪の説明は、記載し忘れたらしく、柳田氏の本には描写が出てきません。きっと、バリオンの同類なのだと、私は推測します。ところで、『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメに、ウバリオンだかオバリオンが出る話があるというのですが、いったいどういう妖怪の話なのでしょうか? だれか教えてください。

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#205Re:ウバリオン・バロウ佐々木卓 5/21 11:44
#201
 あっ!ホントだ!ウバリオンの記載が無い…。む〜ぅ、四国だと思い込んでいたわ〜私ってば(狸のイタズラでおんぶお化けみたいな民話ってありませんでしたっけ?)。
 ちょいと土日かけて昔話関係の資料あさってみよう。

∧

#206取っ付こうか 引っ付こうか佐々木卓 5/21 14:06
#205
 とりあえず今時点で判明した事は、「オッパショ」「ウバリョン」「ウバリオン」といった民話は岡山・広島を中心とした中国、四国、近畿地方に広く分布している、という事です(昼休みに本屋さんで調べた)。

 でもタキタさんの行ってる作業は「コナキヂヂ」の伝承が本当にあるのか?という調査であって系譜を明らかにする事じゃないですね。

 いや、決してここまで行ったら「ウブメ」や「ヤロカ水」まで手を延ばさないといけないから面倒臭いな〜、なんて思った訳じゃ無いですよ。

 ま、でも色んな角度から調べると意外な発見があるので、地域や固有名詞に執着しない方がいいのでは?と、個人的には思いまするが(先に面倒臭いって言ったくせに!)

 でもって鬼太郎のアニメでの「オバリヨン」は伝承・伝説や民話とは関係ないオリジナルな話(水木先生のイラストからキャラクターを拝借しただけ)でした。

 あ、それから私の知り合いにも聞き取りを中心とした民俗調査をされている方がいるのですが、その方の話によると寺院やよほど有名な場所(遠野とか)以外では、妖怪の話は滅多に聞くことは無いそうです。なんか、柳田国男や佐々木喜善の時代ですでにそんな感じだったらしいです(「田舎モンだと思って馬鹿にするな!」と、罵倒された事が何度かあるそうな)。

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#208求む「砂かけ婆・ぬりかべ」資料タキタ 5/21 22:06
#206
ぜひ、その、「おっぱしょ」や「何何バリオン」等の記載のある、昼休みに見たという本の名を知りたいです。
というのは、孫引きの引用記事が出典元を記載していない場合が多く、もとをたどれば柳田国男の「妖怪名彙」記載だったりするからです。
なお、有名な妖怪は研究されないのか、「砂かけばばあ」(奈良・兵庫)や「ぬりかべ」(福岡)へのフィールドワーク報告というものを読んだことがないのですが、マスコミで有名な妖怪は、冷遇されるという悲哀なのでしょうか?
柳田氏の「妖怪名彙」以外の資料をご存知の方は、ぜひ御教示ください。「一反もめん」は、伝承も健在でした。

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#211昔話事典も孫引き佐々木卓 5/24 09:50
#208
 あっ、いや「昔話事典」ですけど、これも孫引きの資料ですわ(この本てば、肝心な事は記載されてなかったりするのよ)。
 砂かけ婆々は兵庫というか、西宮〜尼崎の民俗誌でちょくちょく目にしますが、現地調査はしてませんので今でも伝承されているかは解りません。名前は忘れましたが出没したとされる神社の名前も記載されていましたので、週末に行ってきます(たぶん「なんやそれ?」って言われるだろうなぁ…。それ以前に、その神社あるかしら?)。

 なんか、あ〜だこ〜だ言うだけ言って、頼りない情報ばっかで申し訳無いっス。

∧

#214あるのですか!タキタ mail home5/24 23:10
#211
あるのですか!「すなかけばばあ」の記録が!
兵庫県立図書館では、柳田国男の「民間伝承」にしかみつからなかったという回答でしかなかったのですが……
やはり、現地に行ける人にしか調べるのが困難な資料というのが、あるものだと思います。もっとも、「こなきじじい」の伝承地の某県の県立図書館の回答も「資料無し」だったのですが、その図書館に直接に行ったら出てくる出てくる。やはり、図書館職員による蔵書調査というのは、人手も無く、できない(やってくれない)ものなのだと思います。図書館での資料探しも自分の足で行わなくてはならないという例ですネ。国会図書館の「狸」資料探しも同様でした。
福岡県遠賀郡の「ぬりかべ」の資料や、奈良県の「砂かけばばあ」も知っている人は御教示ください。奈良県については、沢田四郎作博士の著作「大和昔タン」(やまとむかしはなし?)の記載があるらしいとしか私には判らないのですが、まだ、この本が見つかりません。

∧

#230スナカケババもありましたりん mail 5/28 00:28
#208
 民間伝承の会1938『民間伝承』第四巻第三号「問題と資料」のコーナーにありました。
 神戸の山田良隆氏の報告です。
 西宮今津に生えていたある松の木に出たそうです。
 狸の仕業であるとされていたこと、砂の音はしても砂そのものは見つからないことなどが記されています。
 参考までに申し添えると、第四巻第二号のコナキジジの記事も、このスナカケババの記事も、柳田國男「妖怪名彙」の同誌連載と同時期の報告です。
 私は今後、地方から同誌へ投稿した報告者の情報と柳田國男「妖怪名彙」の記述との時期差・相互の影響関係等をチェックしてみようかなんて考えています。もしかしたら、今回の問題を考えるためのヒントを何かもたらすのではないでしょうか。ぜひタキタさん、佐々木さん達のご意見もうかがってみたいです。
 もっとコメントをしたいところですが、とりあえずとり急ぎ報告のみで失礼します。

∧

#240砂かけ婆の「大和昔譚」あります!タキタ mail home5/30 02:40
#230
柳田国男氏の『妖怪名彙』の「スナカケババ」の記載に引用されている沢田四郎作(さわた・しろうさく)博士の『大和昔譚』(昭和6年刊)は、数日前に奈良県立図書館の倉庫から発掘されました。「奈良日日新聞」が報じたかどうかはまだわかりませんが、とにかく自費出版で部数も少なく、沢田医学博士の著書や蔵書は散在してしまっているので、遠隔地の人でもコピーで取り寄せられる公共図書館の蔵書としてはありがたいものです。わずか16ページの本文なので、これも嬉しい話です。奈良県の「奈良日日新聞」を読めない全国の人は電話番号を調べて取り寄せてください。

∧

#241(質問)兵庫県の「スナカケババ」は何故消えたのか?タキタ mail home5/31 03:07
#230
この、兵庫県の「スナカケババ」は、なぜ、『妖怪名彙』(現在の『妖怪談義』昭和31年版に所蔵されたもの)には転載されなかったのでしょうか? なにか問題があったのでしょうか?
現在の『妖怪名彙』(『妖怪談義』所蔵版)の「スナカケババ」は、奈良県の「スナカケババ」です。
思うに、柳田氏本人以外の報告の部分の『民間伝承』掲載中の妖怪話は全て(または、ほとんど)未掲載(未収録)ということに仮に(未調査なので断言できない)なると、現『妖怪名彙』登場の妖怪記載は『民間伝承』の全て(または、ほとんど)ではないということになって、『民間伝承』の読者世代と、昭和31年合本の(いわゆる現在の)『妖怪談義』所載の『妖怪名彙』以降の世代との間には、柳田読者でも基礎的な認識水準にズレが生じていることになります。(まあ、したがって、復刻版がでたのでしょうが)
いや、困ったことだ。買う金がない「貧乏人は麦を食え」と昔の日本の某首相ばりに、現行版で我慢するしかないのか……
それはさておき。兵庫県の「スナカケババ」に詳しい佐々木さん! ぜひ、ご教示ください! なんか問題があったのでしょうか? あるいは、柳田氏の名義の文章でなかったから転載されなかったのでしょうか?
よろしく、お願いいたします。

∧

#243Re:(質問)兵庫県の「スナカケババ」は何故消えたのか?佐々木卓 5/31 09:42
#241
 いや、別に詳しい訳では…。
 恐らくタキタさんの推測通り、柳田国男以外の文章は、はしょられまくっているんでしょうね。

 柳田国男は兵庫県の出身で、自ら幼い頃に「砂撒き狸」の伝承を聞いていたので、そっちの方がインパクト強くて西宮に「砂かけ婆々」が出た、って報告受けても今一つ印象に残らなかったのでは無いでしょうか?

 ちなみに尼崎市の食満(けま)って所の稲荷神社に出た、との記録があったのですが、まだ現地調査してましぇ〜ん(尼崎〜西宮在住の知り合い数人に聞きましたが、「知らん!」って言われた。そりゃそーだ)。

∧

#245Re:(質問)兵庫県の「スナカケババ」は何故消えたのか?りん mail 5/31 20:12
#241

 週末に『民間伝承』の第1巻〜第7巻6号までを見直しました。これによって判明した事実からご報告します。
 
 1.『民間伝承』誌上では、昭和13年11月、第四巻第三号の山田氏の記事以前にスナカケババについての投稿は見つけられませんでした。
 2.だだし、投書とは別に、柳田國男の連載記事「妖怪名彙」(二)が奈良のスナカケババについてふれています。
 この記事は昭和13年8月の同誌第三巻第一号に掲載されています。柳田の記事が兵庫のスナカケババより先に掲載されているわけです。
 内容は現在の『妖怪談義』収録の記事と全く同じです。 例の『大和昔譚』の引用ですね。

 さて、ここからは推測です。
 柳田國男の「妖怪名彙」連載に刺激された『民間伝承』の読者達は、うちにもこんなのがあるよと「会員通信」や「資料と問題」と題された投稿コーナーに記事をよせたようです。
 と考えるのは、「妖怪名彙」が連載された第四巻あたりには、妖怪関係の投書記事が頻出するからです。投書記事のなかには、そのまんま「妖怪名彙に寄す」という表題のものもあります。 「妖怪名彙」連載第一回目には、柳田國男の「どうか是に近い話があったら追加してもらいたい。」との言葉が記されています。妖怪情報の読者投稿増加は、この呼びかけに応じるものだったのだと思います。
 しかし、柳田は「妖怪名彙」を後に単行本『妖怪談義』に収録するとき(『談義』の序は1956年づけ)に、「妖怪名彙」の雑誌掲載後に投書された大量の情報を盛り込んでいません。『 現『妖怪名彙』登場の妖怪記載は『民間伝承』の全て(または、ほとんど)ではない』のでは、というタキタさんの推測は正解です。
 たとえば、阿波ではソラキガヘシのことをキキリと呼ぶ、という情報が四巻十一号に寄せられていますが、このことは『談義』版には記されていません。(現在、連載版と『談義』版の記事の異同を確認中ですが、些細な変更以外に大きな差は認められないようです。)
 
 柳田國男が原稿に手を加えなかった理由は、おそらく彼が設立した民俗学研究所が編纂した『総合日本民俗語彙』の妖怪関係の語彙の解説に、投書などで得られた新しい情報を反映させる作業が、『妖怪談義』刊行の時期に並行して行われていたか、そのような構想がすでにあったからではないかと思われます。詳しくは未確認ですが・・・
 つまり、消えたように見えるのは兵庫のスナカケババだけでは無い。
 したがって兵庫のスナカケババが消えたように見えるのには特別な理由はないだろう、というのが私の意見です。

 いかがでしょうか?

 追記  私も『総合日本民俗語彙』、『民間伝承』ともに持っておりません。図書館や知人のものを利用しております。この際手元に欲しいけど・・・
 追記2 ときにタキタさん、私のメールとどいてますか?
     (私信に使ってごめんなさい)

∧

#242(報告)「一反もめん」は健在なり!タキタ mail home5/31 03:50
#208
妖怪「一反もめん」は、元気にしています。鹿児島県の肝属(きもつき=「肝付」とも最近は表記もする)郡の高山(こうやま)町では、高山町役場の調査で、次々に「一反木綿」伝承が発掘されています。
まあ、例えれば、夕方遅くに子供が遊んでいると、親とか(むしろ老人が)「こら! 遅くまで遊んでいると「一反木綿」がでるぞ!」と叱ると思ってください。叱られた側の子供たちは、テレビのマンガの「一反もめん」を引用して叱る変な爺さん(または婆さん等)とでも判断するのでしょう。しかし、実は年長層が言っているのは、テレビからの引用ではなく、本物の「一反木綿」が来るぞ! と真面目に叱っているのです。
と、まあ、こういう訳なのかどうか、したがって話を聞かされて育った子供(もう中年層もいるが)は、地元に本物の「一反木綿」伝承があるという自覚が(いうなれば)なかったのです。
最近になり、町役場が、アニメやマンガではない、本物の「一反木綿」伝承を地元の年寄りに聞いてまわったら、出てくる出てくる、町中が「一反木綿」の伝承地と言っても過言ではありませんでした。
この調査を行っている役場職員の一人が、最近のこの調査を家族団欒の場でなんとなく話題にしたら、「我が家の近所でも出ていたよ」と母親に指摘されたといいます。大真面目に調査を始めて知った話だそうです。
「我が家の近所も出没地であった」と母が言う、逆に考えると、大真面目に聞く態度が無い者には、それが我が子であっても母親は伝えないという良い例でしょう。高山町は町役場の調査開始したが間にあったから発掘できたのですが、多くの市町村では、こういう機会が無く絶滅した妖怪も多いのでしょう。

∧

#280「一反もめん」は、別項目(他ツリー)に引っ越しました。タキタ mail home6/12 16:05
#242
「こなきじじい」の項目が混雑してきたので、「一反もめん」は、他の項目を、この「妖怪探求」のツリー内に設けて引っ越します。

∧

#276(お知らせ) 「ぬりかべ」は、別項目(他ツリー)に引っ越しました。タキタ mail home6/11 23:50
#208
あまりにも、この『こなきじじい』の項目が混雑してきたので、「ぬりかべ」は、他項目(他のツリー)の『「ぬりかべ」は忘却の彼方か?』(タキタ、6/11、#269)に引っ越します。

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#210Re:取っ付こうか 引っ付こうかタキタ mail home5/22 19:39
#206
なるほど、妖怪調査で怒られることもあるわけですか……
さいわい、「こなきじじい」調査では、水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』の知名度と、柳田国男氏の「御威光」でもって、なかば「感心」された例が多いです。ただ、怒りはしないものの「アホちゃうか?」という目で見られることは、ありました。また、事前に地元の町村の教育委員会や観光課に相談をし下調べをして、「教育委員会等にも聞いてきたのです…」と話をきりだすことで、(人口1000人単位の町村では、職員名も町村民には知られているので)教育委員会と観光課の人々の「威光」というか「信用」のおかげで結果的には助けになり、わりとスムーズに調査できました。
フィールドワークには、教育委員会での事前確認は必要でしょう。

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#270(質問)「ヤロカ水」と「こなきじじい」タキタ mail home6/11 12:51
#206
「ヤロカ水」というのは、柳田国男氏の『妖怪談義』にも記載されている怪異で、人を挑発し、「やろか? やろか?」と声が言い、「おう! 寄越せ!」と人が言い返すと洪水がプレゼントされるというものだったかと思います。
この「ヤロカ水」と「こなきじじい」の関連は、なんなのでしょうか?
前々から、この『妖怪探求』上の記載が気になっていました。

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#274Re:(質問)「ヤロカ水」と「こなきじじい」佐々木卓 6/11 19:55
#270
 はい、妖怪の伝承を語彙や伝承地域別ではなく、現象別に調べた場合、ウブメを中心に置くと路上の怪は9割方リンクしちゃうんです。
 コナキヂヂ改めオギャナキはウブメの赤子が独立し、じーさんの顔をしているという伝承がくっついたモノですね(一本足という話から推測するに、恐らくヤマヂヂが混入したのでしょう。ヤマヂヂはヤマヂヂで、ヤマワラワやサトリ、オシロイババ等と繋がります)。
 一方、オッパショを始め日本各地に伝わるオンブお化け系の伝承(民話)もやはり、ウブメの赤子(恐怖心に打ち勝つ事によって富や怪力を授かる)から発生した伝承ですね。
 で、このオンブオバケは向こうから強制的に襲いかかってくるタイプと、「取っ付こうか引っ付こうか」と問い掛けてきて、それに対して答える事によって行動を起こすタイプがあります。
 前者はオイカガリや見越し入道等とリンクし、後者がヤロカ水や口裂け女等とリンクする訳です。
 つまり、私が言いたかったのはコナキヂヂと同じような特長の妖怪(赤子の声を発する、重くなる、一本足、地震を起こす、等)を、地域にこだわらずに調べてみたら何かヒントみたいなのが見つかるかも?と、言う事だった訳です。

 コナキヂヂとヤロカ水が直接的に関連している訳ではございませぬ。紛らわしい事を言って申し訳ございませんでした(反省)。

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#209Re:おんぶ狸「赤でんちゅう」報告匿名 5/21 23:01
#205
狸が「おんぶ」(背負うの幼児語)をねだる話のひとつに、徳島県では「赤でんちゅう」というのが伝わっています。
板野郡堀江村(現在の地名は未調査)にいた狸です。ソデの無い半纏(はんてん)を「でんちゅう」といいます。おそらく、この赤いものを着た狸なので「赤でんちゅう」と呼称されているのでしょう。この狸は子供に化けて、道ゆく人に「負うてくれ」(「背負うてくれ」の徳島や西日本の方言)とせがむ。仕方なく負うと、喜んでその人の肩を叩く。という人畜無蓋な狸です。
『阿波の狸』に掲載されています。
なお、徳島では、狸は「妖怪」の範疇には入りません。アニメ『平成狸合戦ぽんぽこ』で、たしか(架空の)六代目の金長(きんちょう)狸だったか、蔭神刑部(いぬがみ・ぎょうぶ)狸が指摘したように「四国では、狸を怒らせるとどうなるか、人間どもは、よーく知っておる」のです。狸は、特に徳島では、「妖怪」ではなく、むしろ「神」として扱われていると言っても過言ではありません。したがって、各市町村誌や伝承集の、「伝承」や「昔話」の項目に、これらの諸氏が載ることはあっても、「妖怪」の項目に載ることは、まず無いのです。
徳島では、徳島狸の代表格の初代金長が、京都の吉田家より、正一位の位を承認されており、また他にも位を持つ狸がいます。したがって、位の有無にかかわらず、狸全体が「神」として扱われていると、まあ、いえます。
「狸」に対しての「不敬」は徳島では厳然たる「タブー」なのです。

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#222ばりよんりん mail 5/26 21:36
#201
 「ばりよん」という名称ですが、外山暦彦「越後三條南郷談」に記載があります。書名の通り越後の話です。
 これは、夜通行人があるとその背中に跳びのって頭を噛るそうです。
 夜の道行には金鉢を冠るのが安全だそうです(笑)。
 この本は爐邊叢書という郷土研究社がだした叢書の一冊で、復刻版も出ています。(もとは1926年の刊行)もしかしたら、大きな図書館にはあるかもしれません。

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#226Re:ばりよんタキタ mail home5/27 21:37
#222
ありがとうございます。
ところで、漢字の読み方が判りません。それと、復刻版の出版社名を教えてくれれば嬉しいです。田舎に住んでいると、大きな図書館というのが存在しないので調べようがないのです。

だから、地元の公共図書館を経由して、国立国会図書館に問い合わせして(コピー不可の)蔵書を地元公共図書館に取り寄せるしかないのです。そうやって、地元図書館の閲覧室で、必要ページを調べて、国会図書館に返して、それから、コピーの依頼をして、国会図書館から地元図書館に送ってくるコピーを手にできるのです。

大きな図書館の偏在を、数年前に四国に帰郷してから痛感しています。
もっとも、「そういう大きな図書館を建設することを推進する人材を県議会に送り込む運動を行え!」と言われれば、それまでなのですが……

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#228気が利かなくってごめんなさいりん mail 5/27 23:37
#226
 必要だと思われる部分の読みをお答えします。
 外山暦郎 とやまorそとやま れきろう
 人名ですので、あるいは別の読みかもしれません。
 (念のため『難読姓氏辞典』をしらべたら、外山は「こんぱる」とか「こんばる」と読むこともあるようです。ほんとかいな、って読み方ですねぇ。)
 爐部叢書 ろべそうしょ
 越後三條南郷談 えちごさんじょうなんごうだん
 でよいかと思います。
 ちなみに、復刻版の出版社は株式会社名著出版社です。


 

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#315ああ、誤字・誤情報りん mail 6/16 20:37
#228
炉辺叢書 ろへんそうしょ が正解。
名著出版社 名著出版 が正解です。

情報の信憑性にかかわると思いますので、訂正します。
疲れた頭で深夜の書き込みをすると、これだもんなぁ。
以後、気をつけます。

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#229Re:子なきじじいの資料・ありましたりん mail 5/28 00:02
#126
 民間伝承の会1938『民間伝承』第四巻第二号の
「問題と資料」というコーナーにありました。
 「山村語彙」という武田明氏の報告に

 コナキジジ 子供の鳴聲を眞似る怪。

 と大変シンプルな記述があります。
 阿波三好郡三名村字平での聴書きだそうです。
 現地に伝承が残っているとよいですね。
 (うーん。私も現地へ行って尋ねてみたい!)

 

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#231Re:子なきじじいの資料・ありました佐々木卓 5/28 09:26
#229
 おおっ!雑誌の方をお持ちとは、羨ましいです。
 神田の古本街でたまに見かけるけど高くて…。なんか、総集編みたいなのもあるって聞いたけど見た事ないし…。い〜なぁ〜。

 それはさておき、コナキヂヂは「抱き上げると重くなる」って話はどこから出てきてくっついちゃったんでしょうね?

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#236ウブメがあやしいりん mail 5/29 02:37
#231
 いえ、いえ、実は借り物です。
 さすがに高価なので、まだ手に入れてません。
 大学で民俗学を専攻した同僚に無理を言って借りました。
 でも、欲しいよなぁ。
 各地で採集されたマイナーな妖怪の情報が、ぽつぽつ載ってるんですよ、これが。

 で、以下はコナキジジ問題。
 コナキジジが重くなる話は、現地には無かったという仮定のもとに考えてみます。
 ざっと確認したところ、赤子の声を持つコナキジジ類似の妖怪、ノツゴ、ゴギャナキ、ゴンギャナキ、ケシボウズ、オボ等にも、重くなるという伝承はないようです。
 よく似た妖怪の伝承の影響でないのならば、コナキジジが重くなるという話は、他の妖怪の伝承の要素が混じった結果と考えてみてはどうでしょう。
 私はウブメの伝承が怪しいように思います。
 コナキジジ類似の妖怪は、赤子の姿だったり別の姿だったりしますが、最低限声だけでも赤子という属性を有しています。
 一方、ウブメの伝承の中には、ウブメが自分の抱いている赤子をあずかってくれと人に頼むものがあり、その赤子が石のように重かったり、あずかった人が気づくと赤子が石塔や石に変わっていたという例があります。(柳田國男の「橋姫」に載っているはずです。)
 両者に共通する赤子という特徴が、この混入を招いたのではないでしょうか。
 
 こんな仮説はいかがです?
 アラだらけの仮説ですが。

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#237Re:ウブメがあやしいタキタ mail home5/29 03:10
#236
現地には、ゴギャナキのバリエーションのなかに重くなるというのもわずかにあります。なかには噛み付くと伝わるのもいます。しかし、不思議なことに、理由説明なしに「背負ってはいけない」と伝わり、「とにかくで山で出合ったら逃げて来い」と伝わる話が多いです。
なぜ背負ってはいけないのかは、当時は衆知の事実だから、伝承には記載されなかった可能性もあります。もっとも、今日のわれわれには、理解できません。まあ言うなれば、「うるさい! 理屈を言うな! 背負ってはいけないとワシが言うたら背負わなければ良いのじゃ!」式に、有無を言わせぬ困った人が師弟教育に使用でもした言いまわしが残した伝承の域でしょう。

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#238なぜ重くなるか(?)タキタ mail home5/29 03:23
#237
追加です。徳島県の祖谷山地方で老人に聞いてみると、「背負うと重くなると伝わっていることから判断すると、誰かが背負ったことがあるはずだが、背負った人の体験談は伝承には残っていないなあ」とのことでした。合理的な判断ですが、妖怪に合理的判断が似合うかどうかは疑問です。しかし、このあたりを粘り強く(しつこく)質問して怒られてもいやだから、お礼を言って帰ってきました。

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#239重くなるのもありますかりん mail 5/29 18:54
#237
 そうですか、重くなる例もありましたか。
 やはり現地での聴き取りは重要ですね。

 それと、「妖怪名彙」を再確認したら、柳田國男先生がウブメ、ウバリオンとコナキジジの類似性については既に指摘しておられました。
 ははは・・・(苦笑)。きれいに忘れてました。
 
 タキタさん、現地でコナキジジの伝承は確認出来ましたでしょうか?
 ご報告を楽しみにしています。


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#323(質問)妖怪「オボ」って何でしょうか? タキタ mail home6/18 00:21
#236
●妖怪「オボ」というのは、柳田国男編『綜合日本民俗語彙』では「新潟県南魚沼郡で、怪獣の名。新墓をあばき、脳みそをくうという。山犬のことのようだが名のみある神秘な獣らしい。」(全文)とあります。
●また、千葉幹夫編『全国妖怪事典』(1995年)では、上記の新潟の妖怪の転載に加えて、他の群馬県の妖怪「オボ」として「道の怪。利根郡柿平。鼬(いたち)の化けたようなもので、足にからまってどうにも歩けない。刀の下げ緒とか着物のこづまを切って与えると、からまることはない。秋の日の五時ころ、利根郡利根のある山道を登りかけたら、まわり中の山の中から赤ん坊の泣き声がした。恐ろしくなって駆け出すと、後を追ってよけい大声で泣く。これは「オボの泣き声」という(都丸十九一『消え残る山村の風俗と暮し』)。」(全文)とあります。

●柳田氏の『綜合日本民俗語彙』では、どうも、「おぼ」というのは、「お産」に関係する単語であるようですが、『広辞苑』では、例えば「おぼこ」を「(ウブコ(産子)の転か)」としてあります。
「りん氏」の「オボ」は、この場合は群馬タイプの方の方のようですが、足にからみつくというのは、水木しげる画集で一般イメージ化した「すねこすり」のような行動様式の妖怪像です。『皆山集』の高知県の「ゴギャナキ」も似た感じです。
仮に赤子の声をともなわない場合には、「こなきじじい」系というよりも「すねこすり」系に分類されそうな妖怪です。
妖怪というのは、いわゆる基本型がなく、多くの妖怪は「ぬえ」的に、類似妖怪や無関係妖怪の要素も合体している場合が多いので、分類することが無意味な気もしますが、この「オボ」と赤子の要素との関連は、伝承上では、どういう解説が存在しているのでしょうか?
(他の妖怪はどうなんだ? と聞かれても困るのですが……)



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#324何なのでしょうねぇ? りん mail 6/18 21:42
#323
 残念ながら、私もタキタさんが書かれた以上の情報は持ちあわせておりません。
 産(うぶ)が転化して、オボなのだろうな、ぐらいにしか考えておりませんでした。
 
 さて、困りましたね。
 「オボ」について何かご存知の方、私も詳しく知りたいのでよろしくって、そんな人いるのだらうか?

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#235Re:子なきじじいの資料・ありましたタキタ mail home5/29 02:07
#229
ありましたか! ありがとうございます! あとは現地で取材するだけですね! さっそく故人の武田明さんの御家族と、現役の水木しげるさんに連絡します! 昭和41年以来の疑問が解けました。ほんとうにありがとうございます!
燈台もと暗しですが、なんだってだれも指摘しなかったのだろう、と、歴代の妖怪事典の類について思います。しかし、地名が旧地名なので、明日、現地名を調べてみます。なんだって、我が県の図書館には「民間伝承」がないのだろう! やっぱり、そういう本を蔵書する運動をする議員を議会に送るべきだろうと思う。第十堰の次は、コナキヂヂだ! という人が出てきてくれると良いなあ、と、他力本願はいけないですね。

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#246「コナキジジ」伝承地・徳島県山城町上名平を訪問(未成果中)タキタ mail home6/1 08:01
#235
武田明さん(香川県の民俗学者・平成4年没)の「民間伝承」に記載された地に行って来ました。
武田氏の記載にある「コナキジジ」の取材地「阿波三好郡三名村字平」は、現在では町村合併により「徳島県三好郡山城町上名平」となっています。
この、上名(かんみょう)の平(たいら)まではバスもありますが、平のバス停から奥は土砂崩れで道路が閉鎖されています。
この土砂くずれにより埋まった家屋から非難してきている明治38年生まれの女性に「コナキジジ」のことを質問しました。赤ん坊の声のように鳴く鳥(かしどり)が昭和30年代までは多くいたが、広葉樹を切って杉林にしてしまい、おまけに除草剤の使用で、ほとんどいなくなった、という話は聞けましたが、赤子の声で鳴く妖怪の「コナキジジ」というのは聞いたことがないという回答でした。
もっと年長の明治20年代生まれの女性もいるからと言われたのですが、別の住所の集落の人で、かつ対応してくれた、その息子さんの話では、「私は母からすべての伝承を聞いているが、赤子の声を出す妖怪の話はありません」という回答でした。
なお、この調査は鹿児島県の肝付群高山町のようにや山城町の行政が本腰を入れなくては不可能なようです。
5月31日には、山城町の教育委員会に先週に私が要請していた「山じち」(いわゆる「山じじ」)の塚探しを中断してもらい、「コナキジジ」調査に切り替えてもらうように要請しました。
再度の本格調査です。年長者の皆さんが頼りです。

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#250「コナキジジ」伝承地発見報、マスコミ黙殺?タキタ mail home6/2 02:11
#246
昭和41年以降、鬼太郎関連の特集記事や、各種の子供向けの妖怪辞典などで「子なきじじい」が徳島県の妖怪と紹介されているにもかかわらず。徳島県内の伝承集には記載が皆無なことと、親に聞いてもだれも知らずにきたことから、子供たちは、徳島の地元では「子なきじじい」が「徳島の妖怪」であるという記載の記憶を忘却していった。現在の少年層も同じ「忘却」の過程を先人同様に送るところであった。しかし、今回の「りん」氏の資料発掘により、それに終止符がうたれることになったのだが、マスコミの対応はさまざまである。笑い転げるもの(誇張にあらず)、興味を真面目に持つ者と、「子なきじじい」や『ゲゲゲの鬼太郎』を知らない者の三種類のパターンがあった。
特筆すべきは、この「コナキジジ」を「子なきじじい」として登場させているアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』を放映してきたフジテレビの系列の新聞「産経新聞」の東京本社の対応であった。(産経新聞徳島支局にはあらず!)ここに報告するのもはばかられる対応であった。もっとも、東強本社の彼の対応が「産経新聞」全体の見解や市民への対応とイコールでは無いとは信じるが、とにかく腹だたしかった。(いつか、おちついたら報告します)
こちらとしては、徳島県内のシェア率が低いとはいえ、アニメを流していたフジテレビの顔をたてて系列の「産経新聞」東京本社にも情報を流したのである。
まあ、不愉快であった。
明日からは気を取り直して、また取材だが、徳島県教育委員会の文化財保護課とか山城町教育委員会公民館のような「海のものとも山のものとも知れぬ物」にも真摯な対応ができるような、そういう立ち振る舞いが、いやしくも社会の木鐸にできぬものかと残念に思う。

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#251Re:「コナキジジ」伝承地発見報、マスコミ黙殺?佐々木卓 6/3 13:06
#250
 妖怪の話すると馬鹿にしたように笑う奴いるよね〜。
 あれって、ホンマ頭くるわ。

 なので、私の場合取材の時は「個人的な趣味で民話や伝承を中心とした民俗調査をしている者です」と名乗ってます。

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#254妖怪名彙の「コナキヂヂ」伝承取材者=武田明氏説も浮上中タキタ mail home6/6 03:21
#251
今回の『妖怪世界』での「コナキヂヂ」調査の結果、昭和13年の6月発表の柳田国男記載の「コナキヂヂ」と、武田明記載の同年11月記載の「コナキジジ」の二つの記載が登場した。
徳島県以外の有識者の人々は、徳島県内の伝承集には「こなきじじい」伝承が記載されていないということを知らなかったので、「武田記載」に取材地名があることを重要視しなかったのだろう。したがって、わざわざ徳島県側の関係機関(どこのことか書いていても想像できないが……)に連絡もしなかったのだろう。
ところで、さっそく郷土史家や徳島県内外の関係者からは、驚きの声も起っている、「えっ! こなきじじいって、水木しげるさんの創作じゃなくって、柳田さんの記載にある妖怪だったんですか?!」と言うのは、柳田国男研究家からの声だった。うーん、膨大な記載をそらんじるのは人間業では不可能だから理屈としては理解できる話です。
また、ある記者は、「子なきじじいって知ってる? 徳島で見つかったんだよ」と子供に尋ねたら、「知ってる。金太郎の印を付けて、ワラを背負っているお爺さん」と答えが返ってきたと言います。
また、現役時代の柳田国男を知る徳島県内の有識者等は、当時、柳田氏が全国網の調査組織を持っていたことから、徳島県の民俗調査に熱心だった香川県の武田明氏が柳田記載の「コナキヂヂ」の直接の取材者である可能性も大であることを示唆しています。しかし、現状では、柳田氏の日記や香川の武田氏や徳島県の関係者の日記も公開されていないので、推測の域を越えません。いずれにしても、組織網を作ったのが柳田氏ですから、こと、直属の門下生の誰が直接の「コナキヂヂ」の取材者であっても、柳田氏の名声が揺らぐことはありません。
なお、来年3月までを目処に、柳田氏の取材日記が調査研究の上で発刊される予定で、都内では作業が取り組まれていますから、あるいは、「コナキヂヂ」についてもその取材過程が明らかになる可能性もあります。
妖怪ファンとしても楽しみです。

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#261ホントにすごい調査なのにねぇりん mail 6/8 21:45
#250
 うーむ。
 やっぱり、著名人や研究者の発見じゃないと、マスコミは動いてくれないのでしょうか。
 私は自分が参加する前からこのツリーとても注目してたし、次はどうなるんだろうっ! と大変興奮させられてたんですけど。
 タキタさんて、プロの研究者も顔負けのものすごい調査をしてらっしゃるな、と。
 みなさんは、タキタさんの調査の進展を楽しみにしてたり、興奮させられたりしませんでしたか?

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#262「コナキジジ」続報(未成果中)タキタ mail home6/9 02:15
#261
●「記者会見しよう」という案もあったのですが、「写楽の墓発見ならともかく、コナキジジの伝承取材地発見では、マンガの子なきじじいのことだと誤解して、どこの社も来ないだろう」と言う友人層や『阿波の妖怪・こなきじじい研究序説』(ウルトラマンみたいですが)として今回の調査を出版しましょうという地元のジャーナリストや地元出版社勤務の知人の声もあり、記者会見案は没になり、私=タキタが各報道機関へ報告に行かされることになりました。したがって、現地調査は山城町の教育委員会とマスコミ各社に依頼させていただきました。えらく時間がかかった。
したがって、現地訪問は、山城町教育委員会の方々にご挨拶で顔見せさせていただいたのと、山城町上名平の現地に行って明治38年生れの女性等に話を聞いただけに終わっています。既報の「かしどり」の話です。ところで、その女性が6月7日の『徳島新聞』(県内シェア率89%=県内シェア率日本一)に載っていました。ただし「コナキジジ」の話ではなく、「ふろがないのが不便だが、近所の人が良くしてくれる。町営住宅への引っ越しも考えたが、住み慣れた土地を離れたくない」(地滑りのため、昨年十一月から集会場で非難生活を続ける山城町の大上シナエさん)という全文です。
●なお、山城町教育委員会の話では、6月1日に読売新聞が現地の山城町役場に「コナキジジ」の取材で訪問したという。また、その後にはタウン誌『あわわ』が電話取材してきたという。(山城町教育委員会、3日談)
●徳島県といえば、その昔の「大蛇さわぎ」の時には報道も白熱したが、今回は、現物(らしきもの)が出現したというわけではなく、したがって、「コナキジジ」そのものか、「らしきもの」が出現したり目撃されたわけではないから、各社とも扱いのマニュアルに前例がないのか対応に困っているようだ。(ただし、これはまともに対応した報道陣の場合です)
●なお、『産経新聞』徳島支局の名誉のために報告しますが、徳島支局は、きちんとした対応がおこなわれています。再訪して、東京本社の話をすると、あきれていました。
●ところで、報道陣に配布した資料は、あわただしく整理したので誤字などもあり、困ってしまいました。また、不足資料や不要資料を入れたり削ったりで各社にはバラバラの資料が届けられることになりました。
ことに、柳田氏の「妖怪名彙」にある「阿波の山分」という言葉は徳島の民俗学者でもないと意味が通じない方言です。「山分」は共通語の「山分(やまわけ)」では無く「さんぶん」と読みます。剣山周辺の山の奥深いところとその周囲をふくむ地域の呼称です。(何だって、柳田国男氏は、こういう方言表現を注釈無しで『妖怪名彙』に使用したのだろうか?)
また、木屋平(こやだいら)村に現在伝わる妖怪名は、「ゴギャナキ」ではなく「オギャナキ」「オンギャナキ」という表記が正しいのです。(いったい、どこで誰から取材した話を柳田氏は掲載したのだろうか?)
とにかく、ワープロの打ち間違いのあることには困ったことだ。徳島の報道関係者他の方々ごめんなさい。
●ところで、「定本・柳田国男集(第4巻)」や「ユリイカ(5月号)」が県立図書館から早々と消えているので報道陣が困っている。この『妖怪世界』のファンだろう。あっぱれ、あっぱれ! なお、県立図書館の『ゲゲゲの鬼太郎』は我が家に来ています。(全国の方々には、ローカルな話で申し訳ないです)
●四国放送のテレビは「故郷発掘」というコーナーで扱おうかとも言っていますが、姿無き「コナキジジ」をどう映像かするか楽しみです。
実は昨年の、まだ「コナキジジ」の伝承地不明のころに、「30分のドキュメント番組にしましょうよ」と、四国放送の知人に企画を提案していたのですが、日本テレビ系列の四国放送がフジテレビの『ゲゲゲの鬼太郎』の「子なきじじい」の映像を使うと二次使用も含めて億の単位の金が必要となる。かといって、テレビ番組では、そのアニメの「子なきじじい」を使わないとサマにならないから難しいと、当時は却下されていたのです。しかし、今回は「報道だから大丈夫」なんだそうです。よく判らない世界だと思う。
MHK徳島に、その後に持ち込まなかったのは、忙しさにかまけてでした。
●ところで、「こなきじじい」にはどういう字を当てればいいのかという質問が報道陣からは、寄せられたが、皆バラバラで、私にもわからなかった。水木さんからしても色々だし、柳田氏や武田氏の記載もある。こんなに「有名」なのに表記が定まっていない妖怪も珍しいと思う。
学会のない悲劇だろう。

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#264Re:「コナキジジ」続報(未成果中)佐々木卓 6/9 11:53
#262
『阿波の妖怪・こなきじじい研究序説』はぜひ出版すべきです!地方出版でも自費出版でも何でもいいから、後世に伝えるべきです!このような偉大な研究成果こそ世に出すべきです!
 ちょっと久しぶりに興奮してしまいました。失礼。

 柳田国男の研究者って、民俗じゃなくて国文学よりの人が多いので、ん〜…って感じですよね。ちなみに「遠野物語」にも誤植があるんですよ。「寒戸の婆」ってあるでしょ?あれ、寒戸じゃなくて登戸(ノボト)なんですよ。にもかかわらず!寒戸で有名になっちゃったもんだから「登戸」を「寒戸」に改めよう!なんて動きがあったりして…。
 そんなんでいいのか!

 実は私、以前某大手出版社でバイトしてまして、で、そこで出版業界やアニメ制作業界、ゲーム業界の裏側を見てますので…いや〜、資本主義も、良い面ばかりじゃ無いんですよ…著作権やらゼニやら…ホントに…。

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#266Re:「コナキジジ」続報(未成果中)りん mail 6/9 19:18
#262
 そうですか、地道な活動が実を結びつつあるようですね。
 少し安心しました。
 報道機関まわりとか大変でしょうが、身体をこわさない範囲で頑張って下さい。
 私も口コミですが、こんなすごい調査をしている人がいると、知り合いの民俗学関係者や妖怪ファンなどに伝えるようにしています。微力でも、それがタキタさんの調査への関心がもっと盛り上がるきっかけになればと思ってます。
 

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#268小暮正夫氏の「飴屋とこなきじじい」報告・他タキタ mail home6/11 01:37
#266
児童文学者の木暮正夫(こぐれ・まさお)氏の優れた作品に『飴屋とこなきじじい』というのがある。残念ながら、伝承を元に再構成された作品ではなく、木暮氏の創作である。(木暮正夫氏の談より)
『飴屋とこなきじじい』のあらすじは、山道を歩いていた飴屋が赤子を見つけて哀れに思って背負う(抱く?)のだが、その赤子のことがコナキジジイと判明する。飴屋はコナキジジイが離れず困ってしまい、商売用の飴をコナキジジイにいくつか与えて手に握らせる。コナキジジイがそれを両手にして離れたときに、飴屋は町まで逃げる。ところが、自宅だったか、宿だったかの玄関を開けると、そこにコナキジジイが居て、飴屋は気を失う。気がつくと、飴屋は山の中で目を覚まし、見ると飴がまったく無くなっていた、という話です。
作品そのものは、とても良くできたものですから、伝承の再話ではないにしても、優れたものです。

ところで、最近の私の投稿は誤字・脱字(その逆も)あり申し訳ありません。あまり多いと文章の趣旨の信憑性にもかかわると反省しています。

(例)誤「MHK徳島」=正「NHK徳島」、誤「非難生活」=正「避難生活」、誤「産経新聞・東強本社」=正「産経新聞・東京本社」等々。

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#275(『妖怪探求』内の参考記載の紹介)祖谷山の「オギャナキ」≒「こなきじじい」タキタ mail home6/11 23:34
#268
この『妖怪探求』の中での、「こなきじじい」関連の記載を紹介します。
『 ○ 中国に河童が? 』(八珍、4/20、#149)の項目の中の「 Re 安徳天皇とサンショウウオ」(タキタ、5/20、#202)で、祖谷山村の「オギャナキ」について記載してあります。
「オギャナキ」は「こなきじじい」のことと判断してもらっても、かまいません。いわゆる別名の一種です。

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#316全国の「こなきじじい」伝承求む!タキタ mail home6/17 01:14
#268
はたして、妖怪辞典に「こなきじじい」=「徳島の妖怪」と、どれもが記載してあるけれども、「こなきじじい」は本当に徳島でしか伝承が無い妖怪なのだろうか?
と、いうのは、「川赤子」とか他にも赤子の声を出す妖怪はいる。(「ノツゴ」の声は直接耳にしたことが無く、いまひとつよく判らないのだが)
また、赤子がしゃべるかどうかは疑問だが、「おんぶ」や「だっこ」をねだるとか、しゃべらないで泣くだけでも、見つけた人はつい抱き上げてしまうのが赤子の姿であろう。(町中でこれをやると犯罪者になるが……)
したがって、「赤子の姿とか泣き声」と「おんぶとかだっこ」が要素として存在する妖怪伝承は、全国にあってしかるべきだ。
ついでに離れず重くなればさらに良いが……
ところが「こなきじじい」とか徳島の「オギャナキ」以外には、私は浅学にして、一部の「ウブメ」とか「雪女」の話や、「ヌレオンナ」が「牛鬼」の餌探しでこれを行うという話でしかこの二要素の両立する伝承を知らない。
これらの二人三脚妖怪では無く、単独で、「親」役の引率無しに出没する妖怪では、ありきたりすぎて伝承集に載らないのだろうか?

「ハハハハハハハ」と京劇のように笑いながら「そんなことも知らぬのかッ!」という返事が全国から寄せられれば幸いです。

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#329民俗学研究所「柳田カード」(妖怪部門)所蔵せず!タキタ mail home6/20 02:21
#316
妖怪「コナキヂヂ」調査の一環としての東京の柳田国男資料調査の報告です。

● 東京の成城大学にある民俗学研究所は、柳田国男氏の遺言で氏の蔵書の多くを保管し研究している成城大学の機関として有名だが、6月19日、「残念ながら、柳田カードの内の妖怪部門に関しては所蔵していない」という旨の回答がありました。
柳田氏が採取した「語彙」はカード化で整理されていたというのは知られていますが、妖怪部門の語彙のカードは、してみると、どこに保管されているのでしょうか?
● 現在、氏のカードの内の「方言」部門を所蔵する慶応義塾大学の言語文化研究所にも問い合わせ中ですから、あるいは、慶応義塾大学から妖怪部門のカードが「発掘」される可能性もあります。
「コナキヂヂ」に関する未発表の記載などが「発見」されれば幸いです。

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#331慶応義塾大学で「こなきじじい」調査できる人いませんか?タキタ mail home6/21 16:28
#329
東京都港区三田の慶応義塾大学の言語文化研究所から、とりあえずの回答があり、カードらしきものが未整理で見つからないという回答がよせられました。また、研究員が不足で、研究所側での調査も事実上困難らしい。
6月26日には、今後の言語文化研究所資料への閲覧許可が出る予定なのですが、交通費や旅館代の理由から、とても三田現地には私はいけません。
そこで、三田の慶応大で柳田カードや柳田取材メモを閲覧、コピーしてくれる人を探しています。
どなたか、近所の人で訪問調査が可能な人はいないでしょうか?
ご一報いただければ幸いです。 0884−22−9744(タキタ)

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#360「徳島ラーメン」決定報で「こなきじじい」割愛?タキタ mail home6/26 22:36
#331
● 徳島のタウン誌に月刊『あわわ』というのがあり、毎月「徳島50市町村カウントダウンスクープ」というコーナーがある。
徳島県内の50ある市町村の話題を羅列してランク(?)を付けるコーナーだが、今回は、このコーナーそのものが、新横浜の「ラーメン博物館」に出店する「徳島ラーメン」の店決定の報で、無くなってしまったようである。
● 6月23日に、徳島県庁で「ラーメン博物館」が記者会見し、その出店する店を「いのたに」(徳島市西大工町)に決定したという発表を行った。その報が24日夜に発売の『あわわ』にページを割いて発表されたのである。したがって、「カウントダウンスクープ」の本来のページは急遽、これ一色になったといっても過言ではないようだ。(記者会見直前に情報が『あわわ』に入ったのでしょうね。したがって、記事の差し替えは可能であったが、本来の記事とも両方載せるという組み替えができなかったのでしょう)
もっとも、「カウントダウンスクープ」そのもののコーナーを廃止、または、リニューアルする案もあるとも関係筋は言う。
● したがって、今回の号の『あわわ』には、山城町の「こなきじじい」は載ってもいない。(載る予定だったかどうかは不明だが)
● やはり、「徳島ラーメン」ではないが、「こなきじじい」も記者会見するべきだったのかなあとも思う。
知る限り、熱心であった読売新聞も、まだ記事にはしていないようだ。徳島新聞もまだであるが、徳島新聞文化部の藤長さん、「コナキジジイ」情報を持つらしいお嬢さんへの取材は終了しましたでしょうか? 楽しみにしています。
毎日と朝日は上司がにぎりつぶしたのか? はたまた、山城町が「コナキジジイ」モニュメントを建立するまでは、記事を取っておくのでしょうか? まあ、現物らしきもの(コナキジジイそのもの)が目撃されたというわけではないから、記事にはしづらいのだろう。(居るわけがないが、他の幽霊目撃談は、たまに新聞に載る)
したがって、現状では「阿波おどり」シーズン前に発刊される『徳島グラフ』(徳島出版)以外は報道の気配もないというのが実状でしょうか?
● 徳島県の観光課には「こなきじじい」は理解の範疇外だし、山城町以外では、徳島県の県庁所在地(=徳島の玄関)として「こなきじじい」を唯一活用できる立場にある徳島市の観光課も理解の範疇外で、結局、今年の「阿波おどり」の観光シーズンに間に合わせるという付随的な視点は無いようである。さすがに、もう今年は準備期間も無いですね。
● ところで、「徳島ラーメン」は今年9月から来年5月まで、新横浜のラーメン博物館で出店される。
豚バラ肉の甘辛く煮たものがチャーシューの代わりに入ったラーメンで、生タマゴをお好みで入れて食べるというものです。しかし、徳島市内でも全ラーメン店が採用しているわけでありません。名付けられたのもここ最近で、ラーメン博物館が名付け親です。したがって、徳島に来ても、いわゆる「徳島ラーメン」の店に行き当たるのが難しいので、タウン誌『あわわ』あたりに該当する店の名を確認して訪問してください。新聞の文化欄を読まない層の徳島県民は「徳島ラーメン」の名を知りません。

● 妖怪の情報だか、なんだか? 変なツリーになってしまっていて申しわけないですが、妖怪に関するリアルタイムな状況報告というのも、また、一つくらいは日本にあっても良いのではと思い、公開しています。
山城町のモニュメント建立までは続きそうです。徳島県山城町の議員の皆さん読んでいたらよろしくお願いいたします。