舞首(まいくび)
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妖火 舞首(まいくび) 妖火

 鎌倉時代中期、雅より力が最優先だった時代のこと。
 伊豆は真鶴の祭りの日、鎌倉検非違使の放免である、小三太・又重・悪五郎の三人は、酒の勢いも手伝って、日頃の対抗意識から殺し合いとなった。
 互いに切り落とした首は同時に地面に落ちたが、それでも争いをやめず、ごろごろと転がって海に堕ち、遂に三つ巴の首は合体してしまった。
 それ以来、夜中になると憎しみの炎を吹きながら、巴模様の波を起こし、罵りあいながら海上を舞っていると云う。

 これは所謂<三つ巴>を、妖怪で表したものではないだろうか。

(文責:カメヤマ/家鳴)

・ 参考文献:絵本百物語
・ 属性:
・ 出現地区:関東地方,神奈川県
・ 小説など:巷説百物語3 舞首』京極夏彦(「怪」第弐号)
・ その他キーワード:

2000.7.21 22:43