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覚(さとり)
飛騨・美濃の深山に、色黒く毛長くして、能く人の言葉を理解し、能く人の意を察するという異獣が住んでおり、これを覚と呼んでいた。覚は人の害にはならず、気味悪がって人がこれを殺めようとすれば、その意をサトリて逃げ去ると言い伝えられる。 剣豪などが登場する物語の中に、このようなエピソードが書かれることがあるが見覚えはないだろうか?
剣術に置いて「無我」で戦えば相手に次手をサトラれない、という逸話として使われている。これは『竜馬が行く』(司馬遼太郎)や『北斗の人』(池波正太郎)に見られる。 他人に思ったことを言い当てられるのは気味が惡い。その心持ちが生み出した妖怪とも言える。心を読むと言えば超能力でいう Reading がある。異獣というよりは集落に突如として現れた、この力を持つ異能者を恐れていたのかも知れない。 因みに覚は「おもい」とも呼ばれ、美濃の山奥に住むと言い伝えられるやまことも性質を同じくしており、これの亞種とも考えられるだろう。 (文責:カメヤマ/櫛田川の河童)
参考文献:今昔画図続百鬼,日本妖怪大全 属性:山 出現地区:中部地方,岐阜県 小説など: その他キーワード: 2000.7.21 22:44
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