幽霊(ゆうれい)
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妖火 幽霊(ゆうれい) 妖火

 「妖怪は場所に憑き、幽霊は人に憑く」というのが基本的な分け方ではないだろうか?

 妖怪は特定の場所に現れるから避けようと思えばそれが出來るが、幽霊は恨み辛みを抱え特定の相手を目掛け、或いは死んだことに気付かずに生前と同じように振る舞うから、概ね回避不能であると言える。であるから幽霊譚というのは、その殆どにおいて生前の固有名詞、またはそれに近しい表現で語られることが多いのである。反面、妖怪はその怪現象や妖異に対して普遍的な呼称がつけられている。
 無論、幽霊は地に憑くこともあるし―自縛霊・地縛霊―、生前の固有名詞を忘れ去られてしまうこともあろう。そうして幽霊の発祥が有耶無耶になったときその名を変え、正に妖怪化するのである。

 妖怪と幽霊を分けるのは、名称と発祥に依るといっても過言ではないと考えている。

(文責:カメヤマ)

・ 参考文献:画図百鬼夜行
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2000.7.21 22:45