妖怪草紙
妖怪草紙
ようかいそうし

小松和彦 荒俣宏
工作舎

A4判 / 356ページ

1987.11.10
\2,800+税
ISBN4-87502-139-9

[内容]

序論 安部清明伝承を遊覧する──小松和彦
対談 怪の消息──荒俣宏+小松和彦

第一談 暗闇の章
◎鬼のリアリティを見失ってしまった事◎妖怪たちが実在Lていた事◎闇を忘れきせた日本式照明の事◎ノッペラボウが現代を象徴している事◎誰も解いてくれない「お稲荷さん」の謎の事◎天井裏と子供が入ってはいけない空間の事◎鬼の生活に対するあこがれの事◎妖怪出現の音と怪談芝居の事

第二談 河童の章
◎大工と河童の深い関係の事◎女に弱かった安倍増明の事◎妖怪を名状する村の古老の事◎中世以前の悪党パワーが失われた事◎サーカスに売られる怖さとフリークスの事◎酒天童子の近代的自我の事◎ディズニーランドと『エイリアン』の事

第三談 龍宮の章
近世になって夢か個人化した事◎江戸のアルコール中毒と精神異常の事◎龍神がふつうのおじいさんである宰◎寵の目玉をしゃぶって育った子供の事◎異界の内裏には何かが欠けている事◎世界の境界とメディアとしての珠の事◎寵や鬼にシンパシーを感じてしまう事◎明治維新でも水軍が活躍していた事◎京が情報センターの機能を失った事◎残っているからこそ見せない京都の不気味さの事◎安倍清明がいやな奴だったかもしれない事

第四談 天狗の章◎吉備真備が中国から「虎の巻」を伝えた事◎天狗が間抜けになってしまった事◎「虎の巻」をめぐる陰のネットワークの事◎天狗が無理矢理に技を教えてくれる事◎鬼と鬼殺しの先祖はいっしょである事◎お雛様が家庭の中の内裏である事

第五談 釣糸の章◎太公望がただの釣り好きではなかった事◎ウォーター・フロントの恐怖の事◎釣針と剣と龍退治の事◎「星」が反逆のシンボルになった事◎社会が無菌状態になりつつある事◎道を国家に盗まれてしまった事

第六談 狐狸の章◎得体の知れない茶吉尼天の魔術の事◎龍と狐の役割が交換可能だった事◎犬と狐のイメージが混同された事◎異様なものたちの両義性の事◎メジャーな妖怪になれなかったムササビの事

第七談 付喪の章◎時代とともに変わった「百鬼夜行」のイメージの事◎「付喪神」がヨーロッパにいない事◎日本建築が魔物の侵入に無頓着だった事◎「祖先の霊」が商売の種になった事◎今も残る「小学枚の七不思議」の事◎新しい怖きが生まれつつある事

後論 メトロポールに幽霊が出るまで──荒俣宏


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