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雲外鏡(うんがいきょう)
所謂古鏡の妖異であり、付喪神のひとつに数えられる。 鏡は神秘的なモノである。其処に写り込む景色をそのまま我々に見せてくれ、鏡面自体は確認する事が出來ない。鏡は魂の取り憑いた道具として、古くは記紀万葉など様々な文献に散見する。 鏡と魂との関係は、能の題材としても善く取り上げられ、古能『昭君』では冥界から亡霊を招く<魂呼ばい>の呪具として登場。 その妖しい魅力は『鏡の国のアリス』(ルイス・キャロル)や『鏡地獄』(江戸川乱歩)などの作品にも活かされており、グリム童話『白雪姫』のあの有名な鏡も、ともすれば人間の醜い心を写す雲外鏡なのかも知れない。 また鏡は妖魔の正体を明かすと云われ、<破邪鏡><照魔鏡><照妖鏡>は妖怪の本体を写し出す。これとは逆に吸血鬼ドラキュラが鏡に写らないのも魔力のひとつであろう。 (文責:カメヤマ)
参考文献:百器徒然袋 属性:器物 出現地区: 小説など: その他キーワード: 2000.7.21 22:45
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