宝船(たからぶね)
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妖火 宝船(たからぶね) 妖火

 宝船とは「宝物や米を積み、七福神(大黒天・恵比寿・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋)を載せた船」である。

 鳥山石燕の百器徒然袋では、趣の違った三つの宝船が描かれており、同書の最初の一枚と最後の二枚がそれである。一枚目と二枚目の間には百器徒然袋に紹介される妖怪たち(主に付喪神)が挟まれた格好になっており、最後の一枚は恰もその関係をひとつの画で表したような構図である。その構図とは「七福神に囲まれた霊獣が財宝を背負う」というもの。

 石燕は[宝船]で何を表現したかったのだろう。

 宝物=付喪神を表し、物を大事にする心を問うたのか? 或いは、妖怪を感じる心は宝だと言いたかったか?

(文責:カメヤマ)

・ 参考文献:百器徒然袋
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2000.7.21 22:44